今月の話題
今月の話題 蜂蜜

家庭常備薬としての蜂蜜

夏を快適過ごす健康飲料として、(梅・ハチミツ)を作ってみませんか

前回梅について取上げてみました。梅の実の酸味はクエン酸、リンゴ酸、コハク酸などの有機酸で、腸内の悪玉菌をおさえる作用と共に、抗菌作用があるので下痢や食中毒に応用されています。また梅の酸味は、食品の鮮度を保ち、腐敗を防ぎ、脂肪を中和し、口中をさわやかにして食欲を進め、疲労や夏負けの原因となる血液の酸性化を弱める働きがあります。  スポーツ選手のスペシャルドリンクにハチミツが使われているとよく言われます。
今月の末頃からそろそろ梅が店頭に見られるようになります。梅酒は昔からよく作られていますが、お子さんやお酒の飲めない方には不向きです。今年は梅・ハチミツ(梅のハチミツ漬)を作って、家族全員夏を健康に過ごしてみませんか。  なぜハチミツをお勧めするか、渡邉武先生が「日本蜂蜜新聞」に連載された中の一文を以下に紹介させていただきます。


夏の保険とスポーツに

 夏山で渇いた咽喉を冷たい渓流や清水でうるおすときの快感と、甘美な水の味は、登山家だけに与えられたささやかな特権であり、登山の魅力の一つでもある
。それにも増して甘美な忘れがたい味覚は、信州や東北の山小屋で饗応される蜂蜜水の味である。北アルプスの乗鞍岳の、冷泉小屋の日本蜂の蜜や、尾瀬ヶ原弥四郎小屋の凍るように冷たい水に溶かした蜜の味は、疲労や苦しみを忘れ、それだけでも訪れた価値がある位有難いものであった。サイダーやジュース、さてはビールなどに至るまで、近頃は相当な高山にまで持ち上げられているが、蜂蜜の素朴で健康な味覚は、どこでも味わえるとは限らないので、筆者のリュック中の必携品と決め、知友にもそれをすすめている。汚れのない残雪にハチミツを混ぜて、一時の口渇をしのいでも、おなかをこわすことがないので重宝である。

ハチミツの主成分

ハチミツの主要成分である糖類は、カロリー値が高く、エネルギー源として重要であるが、そのほとんどがブドウ糖と果糖で単糖であるから、砂糖や他の含水炭素のように、体内で分解消化の必要が無く、それに伴う脱ビタミンや脱カルシウム作用がないので、急速に消化管から吸収されて、直ちに筋肉活動その他の力源となる。これが探検家、スポーツマン、鉱夫、潜水夫など急速に糖分を補給する必要のある人々に、好適の栄養品であり、老人、妊産婦、乳幼児などにも賞揚される理由で、古本草にも「栄衛―身体の生活機転―を和し、臓腑を潤す」とし、「虚弱を補う」と謳っている。
ブドウ糖は医薬として、栄養的強心、血圧増進、肝臓のグリコーゲンの蓄積や利尿、解毒、抗毒作用が認められ、現代医学で賞揚されているのは周知のことである。
果糖は糖類中で一番迅速に、しかも完全に体内で消化され、蛋白質や脂肪に対する保留剤となる。また砂糖その他の含水炭素のように、内服して胃液の分泌を止めることが少なく、蔗糖に比較して約三分の一であるとされている。消化不良や胃腸疾患に古くから常用される意義もここにある。
夏季は誰しも体表から発汗して気化熱として体温をうばい、生理的に体温の調節をはかるので、体表皮膚に血液が重点的に移って、エネルギーの消耗も多く、その反面、内臓や消化管の栄養消化に必要な血液は減少して、消化不良や消化管の病気にかかり易い。消化管に負担をかけずに栄養補給をする手段としてのハチミツの利用は家庭の台所でも忘れてはならない、重要な食品の一つであろう。

 果糖は近代医学では栄養的強心、解毒、利尿の目的に利用され、結核患者や虚弱者、糖尿病回復期の患者、小児の食事に応用されていて、東洋医学ではハチミツを古くから労咳(肺結核)、心悸亢進、脾胃の強壮剤、四肢の不和や五臓の栄養剤、解毒などに応用したことと合わせ考えるとき、ハチミツ中の果糖の働きも、エネルギー源としてだけでなく、重要な生理作用にあたっていることが判る。
また果糖はVoit等の実験によれば、溶液として皮内注射して、尿に痕跡しか排泄されないことから、糖尿患者に蔗糖の代わりに用いられている。これを裏書するものに、シカゴ大学小児科で行われたSchulz,Knott等の研究がある。
「家庭常備薬としての蜂蜜」より(古稀記念渡辺武著作集収載より)


梅蜂蜜の作り方

 梅1kg:蜂蜜1.2kgを用意します。
 @傷の無い梅をよく洗います。
 A一つづつ布巾でよく拭いて竹串で2〜3ヵ所穴をあけます。
 BビンにAの梅を詰めます。
 C梅がひたひたにつかるまでハチミツを入れます。
 D10日位で、おいしい梅蜂蜜ができあがります。梅のエキスを吸収したハチミツを
  適当にうすめてお飲み下さい。(1ヶ月位で梅は取り出しておきます)