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アサガオは、日本で発達した数多い園芸植物の中でも最たるもので、鉢植えや垣根にからませて観賞され、ことに江戸時代の元禄、文化・文政年間から嘉永、安政のころ、江戸、京都、浪華で多種多様な発達を見せている。 帯アジア原産の一年草で、我が国には平安遷都のころ、遣唐使が薬用として中国から種子を持ち帰ったのに始まるようである。それは、1060年前の延喜式に記録されていることからも裏づけされる。 中国では紀元500年の昔、梁の陶弘景が編集した本草の古典『名医別録』に記され、その種子をけんごし牽牛子と称し、今日まで漢方薬として賞用されている。 白花品の種子で種皮が帯黄白色のものはしろ白けんごし牽牛子(はく白ちゅう丑)、紅花、紫花などの有色花の種皮が黒色のものはくろ黒けんごし牽牛子(こく黒ちゅう丑)と呼ばれている。 |
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薬性苦寒の水剤で、下剤と利尿剤を兼ねるので、下半身の水腫、腰痛、尿閉、便秘、咳喘や殺虫剤などに使われてきた。 一日用量0.5〜1.5g、1000粒の重量が51.4gであるから、粒数では一日量10〜30粒。 体液の滞りを、腸管と泌尿器とから、下痢と利尿とで体外に排泄し、水はけを急速によくするので、すいしゃ水瀉せい性下痢を伴い、薬用としてはしゅん峻げざい下剤に属する。 一般に漢方薬はせん煎じ薬として使われるが、アサガオは経験上、粉末または丸薬として使われてきた。それは後に記すとおり、しゃげ瀉下作用のある有効成分が樹脂で、水では溶けないため、煎剤では効果のないことを、古代の人たちも知っていたことを物語っている。 「黄牛散」は、白牽牛子2、大黄1を粉末として蜂蜜で服用し、「大黄牽牛散」は大黄2、牽牛子1と、大黄と牽牛子の配合比をかえている。単味では牽牛丸があり、糊で丸剤としている。 江戸時代から漢方家や、家庭薬に、牽牛子が重宝されたのは、腸管の水滞を尿利で排泄する芍薬と、下剤である大黄とを合わせた作用があり、日本人の体質に合った下剤兼利尿剤であるからと考えられる。ただし、多用すると下剤の作用が強く、水瀉性下痢となるので、素人の方は注意が必要である。 |
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種子には約11%の脂肪油と樹脂配糖体ファルビチン2%を含んでいる。瀉下成分はファルビチン(C54H96O27)という高分子化合物で、水とエーテルには溶けない。 西洋医学では、アサガオと同属でメキシコ産のヤラッパの根を峻下剤として常用している。アサガオの種子のファルビチンと、このヤラッパ根に含まれる瀉下成分コンボルブリンとが類似成分であることは、薬物発見の歴史からみて興味深い。 |